逆子のお灸
逆子からの復位を目指してお灸を行っています。
胎児の位置・姿勢
通常、子宮内の胎児は「頭が下・お尻が上」という状態で出産を迎えます。
この状態を頭位と言います。
子宮の出入り口付近に胎児の頭がある状態で、「頭から産まれてくる」ということになります。
それとは逆に、子宮の中での胎児の位置関係が「頭が上・お尻が下」というような状態のことを逆子(骨盤位)と言います。
なぜ逆子になるの?
逆子になる原因は解明されていません。
臍帯が短い、骨盤が狭い、胎盤の位置、子宮の形態などが逆子の原因として産婦人科で指摘されることもあります。
しかし、それらの原因が特定できない場合がほとんどです。
結果から考える灸
病院で逆子の原因を指摘されることはほとんどありません。
残念ながら、逆子のほとんどは原因がわからないためです。
ただ、逆子の原因は解明されていなくても「結果」ということで考えると可能性がみえてきます。
お灸をしている最中にお腹がやわらかくなり胎動が盛んになったり、逆子の状態から頭位になることもあります。
また、逆子のお灸当日(①お灸開始直後、②お灸終了直後、③当日の夜)に、ほとんどの方で胎動が盛んになります。
鍼灸をすることで子宮など腹部臓器の血流量に変化が起き、それが良い影響を与えていると考えられています。
逆子のお灸はいつから?
検診で逆子と診断されてからなるべく間を開けずにお灸を始めるのが良いと考えています。
当院では、可能であれば妊婦検診で逆子と診断されることが多い26~28週頃からお灸を始めます。
しかし、現実にはお仕事の関係や様々な事情から早期に通院ができないことも多くあります。
そのため、26週頃に診断されていてもお灸を開始するのが30~33週頃になることも多いです。
その時の状況によってはもう少し遅い時期から始めることもありますし、場合によっては36〜37週というギリギリのタイミングで逆子のお灸を開始することもあります。
早期に逆子のお灸を開始する理由
逆子のお灸の開始時期として、逆子と診断されてからなるべく早くお灸を始めることをおすすめしています。
胎児がまだ小さい時期は、お腹の張りもまだ強くないですし、子宮内のスペースも充分あるため自由に動けます。
そのため早い時期・週数ではお腹の中でグルグル動く姿が検診時などにエコーでよく見られます。
しかし、胎児の成長とともに胎児の周囲にあったスペースは次第に狭くなります。
その時期にはお腹も張りやすくなりますし、胎児が自由に動くのが難しくなってきます。
そのため、できるだけお腹に余裕がある早い時期からお灸をはじめることをおすすめしています。
どれくらいのペースで施術するの?
お仕事や検診などの予定を考慮しつつ、相談しながら日程を組んでいきます。
おおよそのペースとしては、週1〜2回です。
産科で頭位を確認した時点で施術終了となります。
実際の逆子のお灸ってどんなの?
当院で行っている逆子のお灸は横向きに寝た姿勢で行いますが、最終的にはその方の状態に合わせて行います。
お灸をすえる場所はお一人お一人違いますが、当院では少ない方で1〜2か所、多い方で4〜5か所です。
その方の状態によってお灸をすえる場所やお灸の数などが変わります。
逆子のお灸のツボは?
逆子のお灸で最も頻繁に用いるツボは「至陰(しいん)」というツボです。
このツボは、逆子のお灸だけでなく婦人科症状全般に使われることがあるため有名なツボです。
その他に手や足のツボを使うこともあります。
その方の状態に合わせてツボも変わります。
逆子のお灸は熱いの?
当院で行う逆子のお灸では、ジワーっと徐々に熱が伝わる灸法を主に用いています。
その時の状況により、少し熱いお灸を1〜2か所行うことがあります。
なぜ逆子が頭位になるの?
鍼灸施術によりお腹の血流が増加すること、鍼灸施術後に胎動が増加することが影響していると考えられますが、はっきりとはわかっていません。
逆子への鍼灸は、お腹があたたかくやわらかく変化すること、そこから胎動が活発になることを基準として行っていきます。
逆子への鍼灸施術はあくまで胎児の応援をするようなものです。
復位する時は、誰の力でもなく胎児自身の力で頭位になります。
施術を受けるときの服装は?
膝下~足先が楽に出せればどんな服装でもかまいません。
当院にある専用のお着替えもお使いいただけます。
*妊婦さん用の骨盤ベルトや腹帯、サラシなどをお持ちいただければ着け方をアドバイスさせていただきます。
逆子のお灸をした後は?
普段通り過ごしていただいてかまいません。
お仕事に行かれても、散歩をしてもかまいません。
入浴も問題ありませんが、お灸の後に入浴する場合は1時間程度空けてから入浴するようにしてください。
セルフケアは?
施術時に、ご自宅で簡単に出来るお灸セットとお灸マニュアルをお渡ししています。
お灸をすえるツボはお一人お一人違いますが、ツボ2〜4か所にご自宅でのセルフ灸を行っていただいています。
鍼灸院でお灸を受けるのと同じくらいセルフケアのお灸は大切です。
逆子が頭位になったあとは?
おめでとうございます!
当院での施術は終了です。
あとは、、、のんびりとお過ごしください。
ご予約・お問い合わせ
電話:044-742-2345