逆子のお灸

当院はお灸を用いた逆子治療を行っています。

 

当院でのお灸専門治療は婦人科症状が最多、その中でも逆子治療が最も多いです。

 

お灸治療~逆子のお灸~ 

 

【胎児の位置・姿勢】

通常、子宮内の胎児は「頭が下・お尻が上」という状態で出産を迎えます。

 

これを頭位(正常位)と言います。

 

この頭位の状態で「頭から産まれてくる」ということになります。

 

この「頭位」がスムーズに生まれやすい状態とされています。

 

 

それとは逆に、お腹の中での胎児の位置関係が「頭が上・お尻が下」というような状態のことを一般に逆子(骨盤位)と言います。

 

逆子にも、手足の位置で様々な状態がありますが、基本的に頭が上になっています。

 

*純粋な逆子とは異なりますが、胎児がお腹の中で横に寝ている状態を横位と言います。この場合も鍼灸治療を行っています。

 

 

【なぜ逆子になる?】

逆子になる原因は、現代医学では解明されていません。

 

臍帯が短い、骨盤が狭い、胎盤の位置、子宮内部の形態、羊水の量などが逆子の原因として指摘されることがありますが、それらの原因が特定できない方の方が圧倒的多数です。

 

また、冷え運動不足などが指摘されることもありますが、これについても現代の医学では「分からない」としか言えません。

 

 

確かに、逆子のお灸でご来院される方をみていると、冷え性や運動不足だと感じる方が多くいらっしゃいます。

 

ただ、当院にご来院されている方だけをみても、医師の検診で特別な異常がない、ご本人も冷えを感じることがなく実際にお腹や手足も温かい、運動は充分している(ご自宅の掃除やある程度長時間のウォーキング、肉体労働などの仕事で充分に動いている)という方も少なくありません。

 

ただ、ご本人は「冷えていない」「運動している」と思っていても、実際は冷えていたり運動になっていないことがあるのも確かです。

 

日常の中で否が応でも体を使っていた昔の生活と違い、体を使うことが極端に減っているのが現代の生活ですからね。

 

もし「最近あまり動いてなかったかも、、、」と感じられる方は、少し散歩の時間を伸ばしてみたり、意識的に全身を使う家事(拭き掃除など)を増やすと妊婦さんの運動不足解消に効果的です。

 

将来的に逆子の原因が科学的に解明される日がくるかもしれませんが、現段階の西洋医学では逆子の原因はひとまず「不明」とされています。

 

が。。。

 

「治療結果」ということで考えると、血流が非常に重要です。

 

お灸1回で冷え性や運動不足が根本的に改善することはありませんが、お灸をしている最中に胎動が盛んになったり逆子が頭位になることは沢山あります。

 

お灸で瞬時に変化するものは「血流」です。

 

この血流の増加が逆子のお灸では重要だと考えています。

 

 

【逆子のお灸はいつ始めるの?】

逆子のお灸は、早い方で28週頃に始めます。

 

当院では、可能ならば28週頃から始めますが、現実にはお仕事の関係(産前休暇などのご予定)などから30~33週くらいからお灸治療を開始することが多いです。

 

 

その時の状況によっては産科担当医の判断によりもう少し遅い時期から始めることをすすめられることもあります。

 

何らかの理由によりその時期に逆子治療が出来ない場合、36週などギリギリのタイミングに開始することもあります。

 

 

*早い時期に逆子の灸を開始する理由*

胎児がまだ小さいうちというのは、1人だけで大きなプールに入っているようなものです。

 

これだとスペース充分で好きなように動けます。

 

そのため早い時期・週数ではお腹の中でグルグルよく動く姿がエコーなどでも見られます。

 

一般的に、子宮内のスペースに余裕があった方が赤ちゃんが回転しやすいと言われているため、早い時期からお灸治療をはじめることをおすすめしています。

 

ただ、、、35週や37週でもあきらめる必要はありません。

 

ギリギリのタイミングでも頭位に復位することはよくあります。

 

 

【どれくらいのペースで治療するの?】

28~31週頃の方であれば、治療ペースは気にしなくても大丈夫です。

 

妊婦検診などの予定を考慮しつつ、相談しながら日程を組んでいきます。

 

おおよそのペースとしては、ほとんどの方は週1回の通院、まれに週2回です。

 

3回目くらいに頭位となることが多く、産科で頭位を確認した時点で治療終了となります。

 

*逆子が復位して頭位となった後は、自宅のセルフケアのみ続けていただいています。

 

 

【どんな治療?】

当院の逆子治療は、あお向け(上向き)・横向き・座位(座り姿勢)など、その方に合わせてお灸治療をします。

 

場合により、マッサージや鍼治療を行うこともあります。

 

まず、あお向けか横向きで治療し、最後に座位で治療します。

 

既にお腹が大きくあお向けがつらい場合や、腰が痛くてあお向けはつらいという場合は、横向きや座位で治療を行います。

 

 

お灸をすえる場所はお一人お一人違いますが、当院の場合、少なくて2箇所、多くて8箇所程度です。

 

その方の状態や体質などによってお灸をすえる場所やお灸の数などを調整しています。

 

場合により、1~2箇所くらい鍼を打つこともあります。

 

 

【逆子のお灸のツボは?】

逆子のお灸で最も用いられるツボは、至陰(しいん)と三陰交(さんいんこう)というツボです。

 

当院でもよく使うツボです。

 

この2つのツボは、逆子のお灸だけでなく産前産後の様々なトラブルに有効なため「超」がつくほど有名なツボです。

 

書籍でもネット上でもよく見ると思います。

 

 

その他のツボとして、合谷、命門、関元、期門、中府、膏肓、腎兪、足三里、太渓、照海、隠白、大敦、太衝なども使うことがあります。

 

ただし、これらのツボを全て用いるとか、全てお灸をするということではありません。

 

また、他のツボを用いることもあります。

 

その方の状態に合わせて用いるツボも変わります。

 

 

【逆子のお灸は熱いの?】

1~2箇所、少し熱いお灸(透熱灸)を行います。

 

その他はホンワカ温かいくらいのお灸(八分灸、知熱灸、台座灸、灸頭鍼)です。

 

「熱いのは絶対嫌なのですが」

 

という方には、温感程度のお灸を用いたり、場合によりお灸を用いず治療することも可能ですのでご相談ください。

 

 

【どうして逆子が頭位になるの?】

これまでの研究では、お灸により子宮動脈臍帯動脈血流が増加することが分かっています。

 

また、お灸治療後に胎動が増加することも分かっています。

 

逆子のお灸では、この「胎動の変化・増加」が最も重要です。

 

 

実際の逆子のお灸に先立って、お灸の効果を最大限高めるためにお腹の緊張を緩めるようにマッサージ体操をすることもあります。

 

血流が悪いから逆子になるとかお腹が硬いから逆子になるとは言えませんが、血流を促進したりお腹の緊張を緩めること、体の上下左右のバランスを整えるなどの身体の変化が胎児への刺激になり、胎動が変化すると考えられます

 

 

ほとんどの方で、施術中や施術後に活発に胎動があったり、施術当日の夜に胎動が活発化することがみられます。

 

このように子宮の血流が増加し胎児の動きが活発に起こる中で回転すると考えられます。

 

 

逆子治療では体操したりお灸をしますが、、、それはあくまで赤ちゃんの応援をするようなものだと私は考えています。

 

お灸の力でも誰の力でもなく、赤ちゃん自身の力で頭位になる。

 

逆子のお灸を通して多くのママさんや赤ちゃんとお会いしていると、つくづくそう感じます。

 

 

【治療するときの服装は?】

膝下~足首が出せればどんな服装でもかまいません。

 

治療院にある施術着を使っていただいても良いです。

 

*もしお持ちであれば、妊婦さん用の骨盤ベルトや腹帯、サラシなどをお持ちいただければ着け方をアドバイスいたします。

 

 

【逆子のお灸をした後は?】

基本的に好きに過ごしていただいてかまいません。

 

お仕事に行かれても、散歩をしても良いです。

 

入浴も問題ありませんが、お灸の後1時間程度空けてから入浴するようにしてください。

 

 

【セルフケアは?】

治療時に、ご自宅で簡単に出来るセルフケア用のお灸セットをお渡ししています。

 

お灸をすえるツボはお一人お一人異なりますが、手足のツボ2~4箇所にご自宅でのお灸を行っていただいております。

 

 

小さなお子さんがいてお灸は難しいというような場合は、お灸以外のツボ療法で対応します。

 

その他にその時の状態に合わせた体操や呼吸法をアドバイスしています。

 

 

【逆子が頭位になったあとは?】

当院での治療は終了です。

 

ご出産までのセルフケア(お灸、体操、呼吸法など)をアドバイスさせていただきます。

 

あとは、、、のんびりとお過ごしください。

 

*その他の症状への治療をご希望の方は継続して治療をしていきます。