ブログ

2016 / 05 / 30  06:09

【産後の骨盤】出産後、骨盤ベルトはいつまでつけるの?

寒さを感じて目覚めると雨音。

沖縄が梅雨入りしたとたん、こっちでも雨が増えてきましたね。

この季節は暑かったり寒かったり湿っぽかったり。

身体も大忙しです。

 

 

 

さて、妊娠中もですが、特に出産後のママさんからよくご質問を受けることに「骨盤ベルトの使い方」があります。

しっかり数えたことはありませんが、出産直後に受けるご質問では一番多いかもしれません。

そこくらい聞かれます。

妊娠前や産前にご来院された方からはほとんどこの質問を受けますし、産後に初めて来られたママさんの中には「腰痛そのものよりも骨盤のことの方が気になる」と言われる方もいらっしゃいます。

 

いまの痛み」ということもあるのですが、「将来的な不安」という面が大きいのだと感じます。

骨盤がどうこうという記載はネットにあふれていますからね。

私的にはベルトよりも産前から産後にかけての数年は休みたいときに心身を休ませることができる環境を整えることが社会または家族の責務だと思います。

 

まぁ、こんなことを書いている私ですが、最初はそういうことが分かっていませんでした。

情けない話ですが頭ではわかっていても行動が伴っていなかったです。

世のお父さん方、お互い頑張りましょう。

 

 

 

【産後に使うのはどんなベルト?】

腰痛は産前産後のトラブルとしてはよくある症状です。

セルフケアとしては妊婦さん用の骨盤ベルトを着用することが一般的です。

サラシは洗濯も面倒ですし汚れやすいし締めるのにコツがあって慣れるまではピシッと決まらなかったりすぐズレてしまったりしますが、正しく使うとサポート力も高く保温効果もありますし肌荒れも少なく時代遅れとバカにできない優れものです。

サラシを綺麗に巻きたい、サラシで効果を出したいという方は、ご来院時におっしゃってください。

洗濯の仕方、干し方、お腹の状態別の巻き方のコツなどご説明します。

きっちりズレず、しっかりサポートできる方法を練習しましょう。

 

 

いやいややっぱりサラシは面倒だよという方は簡易的な妊婦さん用の骨盤ベルトでも充分代用できます。

骨盤ベルトもたくさん種類があります。

 

産後のケアに適しているのは「あまり幅が広くなくて、しっかりした素材のもの」です。

 

幅が広いタイプは、基本的に材質が柔らかくできており、形状も産前の骨盤や腰の形に合わせてデザインされているものがほとんどです。

産後はお腹がへこみ骨盤は広がった状態です。

妊娠中用の幅が広いベルトは形状が合わないことが多く、しっくりこないとか、すぐにズレてしまいます。

また、帝王切開でご出産されたママさんにとってはあまり幅広のタイプは縫合痕に当たって痛いことがあります。

 

産後は骨盤の部分だけしっかりサポートする幅が比較的狭いタイプがオススメです。

 

 

 

【骨盤ベルト、どう使う?】

産後に骨盤ベルトを使用するポイントは、腰(腰椎があるくびれ部分)ではなく骨盤と股関節をサポートするために使うということです。

サラシの場合もそこがきまるように巻きます。

骨盤が安定すれば自然と股関節も安定し、腰も安定するため痛みが楽になります。

 

ご来院時にチェックすると、骨盤ではなく腰にセットしていたり、骨盤の上のほうにセットしていることが多いように思います。

赤ちゃんのお世話ではしゃがみ動作が多く、どうしても上にズレやすくなってしまうため尚更ですね。

ズレてきたかなと感じたら着けなおすようにしましょう。

*サラシの巻き方は言葉で説明するのが難しいです。巻いてみて、練習あるのみです。

 

 

【ベルトをセットする場所の確認】

①太ももの外側を、膝から上に向かってなでていくと丸い骨の出っ張りに触れます。これが「大転子」です。

②それを越えてさらに上になでていくと骨盤の縁の骨に触れます。ここが「腸骨稜」です。

産後の骨盤ベルトは大転子と腸骨稜の間にセットします。

着ける時はまっすぐ立って足をコブシ1つぶん開いた状態で締めます。

 

実際は①で大転子を見つけ、その骨の出っ張りにベルトの縁が当たるくらいの場所にセットします。

治療院で実際に試していただくと「思っていたより下なんですね」と言われることがほとんどです。

あまり上に着けると骨盤の必要な部分が締まらず逆効果です。

 

 

【いつまでつける?】

おおむね産後2ヶ月ほどです。

この間に骨盤が安定するようにエクササイズなどを行っていきます。

恥骨結合部の痛みがある場合や腰が不安定な感じがする場合などはもう少し長く着けていただくこともあります。

 

 

【つけすぎは良くない?】

ベルトやサラシを着けるのは産後2ヶ月ほど。

ご来院されたママさんの中には「1年くらいつけっぱなしにしているんです」というようなケースもあります。

それが良い悪いということではなく、長期間使用されている方にはだいたい理由があります。

腰の痛みが続いているため仕方なく使い続けている場合が多いです。

 

腰痛が続いている場合などは、不安定性があるかもしれませんし、他の要素かもしれません。

育児の疲れや心身の緊張、循環の不良や浮腫、睡眠不足などの影響かもしれません。

 

骨盤が安定した後はベルトを着ける必要はありません。

ベルトは骨盤周囲を圧迫するため、自然な状況ではありません。

ただ、長く着けていた方が急に外すのは不安があるかもせれません。

徐々に1日の中のベルト使用時間を短くしながら、身体を慣らしていくようにしましょう。

 

ベルトを着けないと不安で、、、という方はひとまずベルトを着けた上でしっかり動くようにすればOK!

動く中で最終的にベルトやサラシが必要ない身体を作っていけば良いのです。

 

 

【心配しなくて大丈夫】

骨盤が歪むとか何とか、様々なことがネット上には書かれています。

それを見ると心配になってしまう方もいらっしゃると思います。

でも

心配しなくて大丈夫。

人の出産は人と呼ばれる生き物が存在するようになってからずっと続いていることです。

大丈夫なようになっています。

 

もちろん筋力や痛みの感受性など個人差はありますが、基本的にちゃんと回復するようになっています。

必要以上に心配してあれこれやらなくても自然に回復していきます。

 

出産そのものより、その後の育児や仕事との掛け持ちなど、日々の頑張りによる疲労の方がはるかに大きな影響があります。

骨盤のことを心配するのなら、そういう日々の疲れのケアを考えていく方が良いと考えています。