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2017 / 11 / 26  08:01

いろんな役割

昨日ご来院された方とお話していると

 

 

「はりって本当に効くんですか?」

 

 

ズバリなご質問。

 

 

 

これほどド直球な質問は久しぶりでした。

 

でも、これ、誰でも気になることですよね。

 

私も気になります(笑)

 

 

 

「効く」という意味は、人それぞれにいろんな意味があると思います。

 

完全に症状がなくなるという意味のこともあるし、今より楽になるという意味で使われることもある。

 

 

 

鍼、灸、あんま、マッサージ、指圧、、、どれもいろいろな役目があります。

 

ぎっくり腰や捻挫など、急な痛みの時は迅速に痛みをとり普段通りの生活が送れるようにすることが最優先だと思っています。

 

理屈は不要、結果が全てです。

 

お仕事やスポーツなどに可能な限り早く復帰すること、そして鍼灸院などにかからなくても再発しないようにしていくこと。

 

これは慢性の痛みでも基本的には同じ。

 

 

ですが、鍼灸院には痛み以外にも様々な方がご来院されます。

 

とても難しい疾患の方もいらっしゃいます。

 

現代医学では治癒が難しいと言われるような。。。

 

 

鍼灸は魔法でも何でもありません。

 

お一人お一人をみて、鍼をうち、お灸をすえる。

 

ただこれだけで、これ以上でも、これ以下でもありません。

 

 

 

少しでも生活が楽になるように、体が動かしやすくなるように、心身が良い方向へいくように、、、

 

そんなことを目指します。

 

 

 

が、これまでの話は私のこと。

 

前提として、ご来院された方の「望み」ということがあります。

 

その方にとっての目指す場所は私と違うかもしれません。

 

目指す場所は同じでも過程が違うかもしれません。

 

私が良かれと思ってやっていても、独りよがりかもしれません。

 

 

 

症状を無くす、再発させないというようなことは当然追求すべきですが、体が良い方向へ向かうお手伝いをしているという気持ちも忘れてはいけないことです。

 

患者さんの今思っていること、目指すところを見失うことがないようにしたいと思います。

2017 / 11 / 14  00:16

寒さに強いですか?

寒さ暑さに対する対応力は人それぞれです。

 

ちょっと寒くても調子を崩す人もいますし、真冬に半袖の方もいます。

 

犬は喜び、猫はコタツ。

 

寒いのが苦手なシロクマもいるかも。

 

いろいろですよね。

 

 

 

寒さが徐々に強まる今日この頃。

 

首が、、、

 

腰が、、、

 

膝が、、、

 

と連日電話が鳴ります。

 

寒さに加えて、大きく湿度の変化があった日は特に。

 

 

 

中医学には、寒の直中(じきちゅう)という表現があります。

 

字のごとく

 

「直に中る(じかににあたる)」

 

寒が体の中まで直にドーンと入ってくることを言い表した言葉です。

 

抽象的だと感じますか?

 

でもこれ、実際によくあります。

 

 

「外に出て、寒っ!と思った瞬間に腰がぎくっとなって、、、」

 

「冷たい風が吹いたと思ったら、急に腕が痛くなって、、、」

 

中には

 

「冷たい水でお風呂を洗っていたら痛風の痛みが再発しました」

 

なんていうケースもありました。

 

 

 

東洋医学では、鍼灸でも按摩でも指圧でも漢方薬でも寒さや暑さという要素を施術に活かしています。

 

暑いとか寒いというのは、ごく当たり前な感覚ですよね。

 

それ自体に良い悪いはありません。

 

冬は寒いし、夏は暑いのが当たり前。

 

そんな当たり前の感覚を、心身の状態判断、施術そのもの、結果の判断などにも繋げていきます。

 

 

暑さ寒さなんて、、、

 

素朴?

 

自然?

 

原始的?

 

旧時代的?

 

面白い?

 

人によって感じ方はそれぞれだと思いますが、私にはしっくりきます。

2017 / 11 / 09  21:48

東洋医学とアイシング

アイシングやクーリングについては過去に何回か書きましたが、今日はちょっと視点を変えて

 

 


【東洋医学と西洋医学】

 

アイシングという言葉は西洋から入ってきたものです。

 

そのため、アイシング(冷やすケア)についての文献を調べると西洋医学的なものは膨大な量が出てきます。

 

もう、ホントに凄い量。

 

東洋医学的なものはほんのわずか笑

 

まぁ、このあたりは東洋医学の苦手とする部分です。

 

一人一人の様々な要素を考えて治療をしていく東洋医学は、そもそも言語化することを考えていませんからね。

 

東西で分けて考えるより、きちんと一人一人をみていけば良いんじゃないかなと思います。

 

でも、私は鍼灸師なので、今日は東洋医学的に「冷やす」ことについて書いていきます笑

 

 

 

【寒熱】

 

東洋医学には様々な概念がありますが、その中に「寒熱(かんねつ)」というものがあります。

 

「さっそくワケわからん」

 

と感じた皆様、サラリと流してくださいませ。

 

 

寒⇔熱

 

 

寒だから病気だとか、熱だから病気とかいうことではありません。

 

人の内と外をみる時にちょっと役立つ、くらいに思ってもらえれば良いと思います。

 

また、寒の中に熱もあり、熱の中に寒もあります。(こんなことを書くと「だから東洋医学は意味不明」とか言われてしまいますが笑)

 

 

 

【アイシングという考えは昔から】

 

アイシングという言葉は西洋から入ってきて定着したものです。

 

ただ、治療として体を冷やすとか患部を冷やすという概念が日本に無かったわけではありません。

 

古来から、冷水に浸した手ぬぐいで冷やしたり、打撲などの怪我に対して潅水(冷水浴)するような治療法などがあります。

 

アイシングというよりクーリングですね。

 

熱っぽく感じた時に冷やしてみるのは自然な成り行きですからね。

 

 

手ぬぐいくらいで、、、

 

 

と感じられるかもしれませんが、これがバカにできないんです。

 

水の持っている冷やす力はとても強いです。

 

氷がなくてもかなり冷えます。

 

古来から東洋にあった「冷やす」という対処方法ですが、現代の西洋医学と東洋医学では冷やすための考え方が異なります。

 

東洋医学では「冷たいもので患部を直接冷やす」という方法以外に「患部以外を冷やすことで結果的に患部も冷える」とか「温めることで熱をとる」などの方法も用います。

 

冷やすための方法もいろいろです。

 

 

 

【炎症を抑えることと熱をとること】

 

現在、現場でのアイシングはアイスパック氷嚢などを使って局所的に筋肉や関節を冷やすというやり方がほとんどです。

 

局所の炎症を必要最小限に抑える循環改善鎮痛などの目的のために行います。

 

設備を準備できる環境があるなら、プール、タンク、冷気を直接吹き付ける機械などを使うことも可能ですね。

 

これらは西洋医学的な考え方ですが、じゃあ東洋医学では違うかと言うとそうでもありません。

 

結構似たところがあるんです。

 

東洋医学では「冷やす」「熱をとる」ための考え方・やり方をまとめると、、、

*イメージしやすいように、肩や肘に痛みや熱があると仮定します。

 

 

①肩や肘など痛みや熱がある部分に直接施術して熱をとる。

 

②肩や肘とは全く違う場所で熱がある部分に施術して肩や肘の痛みや熱をとる。

 

③痛みや熱がなく逆に冷えている部分を施術して痛みや熱をとる。

 

④痛みや熱や冷えもない部分を施術して痛みや熱をとる。

 

⑤薬を用いる

 

 

細かく言えばきりがありませんが、大まかなところでこんな感じです。

 

 

は、よくあるアイシングと同じ考え方ですね。

患部を冷水で冷やすというようなことです。

特に打撲や捻挫などの急性期はほとんど①のやり方です。

*この①の場合、アイシングやクーリングでなく、鍼を打って熱をとることもありますしお灸をすえて熱をとることもあります。

 

②③④は、東洋医学独特な部分かもしれませんね。

 

②は、肩や肘を直接施術せず、熱がある手や足を冷水浴したりプール浴をするなど方法です。

これにより、直接肩や肘を冷やさなくても肩や肘の熱感や痛みが改善することが多々あります。

慢性の野球肩や野球肘の方には是非試していただきたい方法です。

 

③④は、鍼灸、指圧、マッサージなどではよくやりますがアイシングやクーリングでは難しいかもしれません。

 

は、西洋医学ならNSAIDsやステロイド、東洋医学ならその場に応じた各種漢方薬の組み合わせということになります。

 

 

 

このように、東洋医学では熱をとるために直接肩や肘を冷やすとは限りません。

 

まぁ、東洋医学では、、、と書きましたが、西洋医学ではそうじゃないということではありません。

 

東洋医学的な考えでいくと、、、

 

自然とそうなるということです。

 

 

一見すると、東西の医学で言われることが重なる部分もありますし、全く違う部分もあります。

 

でも、基本的に人をみて治療する以上、最終的には重なることが増えてくるはずなんですよね。

 

5年後、10年後、、、

 

医療者の立場は違っても同じことをやっているかもしれませんね。

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