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寝るころに痒くなってきて~アトピー性皮膚炎と首肩こりの鍼治療とカッピング~
先週末は治療とはまた別の仕事に忙殺されていました。
治療中はずーっと動いている状態ですから、じーっと座っているのはツラいですね。
まぁ、これもまた精神修養だと思うことにしますかね。
【梅雨からひどく、、、】
さて、アトピーのお話。
先日ご来院された方は、夜(就寝前や就寝直後)のかゆみが強い方。
長年塗り薬と内服薬でコントロールされてきたということでしたが、今年の梅雨頃から薬の強度をあげても効果が出にくくなっているとのこと。
かゆみだけでもどうにかしたいとご来院されました。
アトピーでは悪化する要因がいくつかあります。
代表的なものは
・季節
・食事
・ストレス(が消化不良の時)
・アレルゲン
などです。
季節の影響はかなり強いものがありますが、春先に悪化しやすい方や冬の乾燥が悪化要因になる方などお一人お一人違います。
夏場は比較的良い状態を保てることが多いのですが、今年のように天候不順が続くと影響が出やすくなります。
特に今年は台風の影響もありますから、症状の変動も大きくなっているのかもしれませんね。
【夜のかゆみ】
夜のかゆみは、血液循環や体温なども関係してきます。
夜のかゆみが出やすい方では、
姿勢として起きている(立っている、座っている)
↓
布団に横になる
↓
副交感神経が優位になる
心臓への静脈還流が増加
↓
血液循環が増加
体温、皮膚温上昇
↓
かゆみ
こんな流れもあります。
お風呂からあがった直後のようなものです。
アトピー性皮膚炎では入浴中または入浴後にかゆみが増強することが多いですが、これは身体が温められること、また副交感神経が優位に働きだし血液循環が増加することで起こります。
血液循環が良いこと自体は大歓迎なのですが、急激な変化がかゆみを誘発しているんです。
そのため、お風呂からあがる時に水シャワーを浴びると身体が冷やされ過敏になった皮膚の知覚神経が沈静化されますし、皮膚の毛細血管も収縮するためかゆみが軽減します。
夏場ならば、冷水とまでいかなくても常温水のシャワーでかゆみをコントロールするのもアリですね。
【ツマリを解消する】
アトピー性皮膚炎のような皮膚症状であっても筋骨格系の状態をみていくのが私のやり方です。
といいますか、私は医師でなく鍼灸マッサージ師なのでそれしかありません。
脊椎と関節まわりのコリ・ツマリを解消することで、皮膚症状の軽減につながります。
また、今年のように台風の影響で雨(湿気)の影響が強い時は、水分代謝を促すようなツボもよく使います。
アトピー性皮膚炎の方は肩こりや腰痛などを感じておられる方が多いです。
ご自宅で皮膚に対するセルフケアの他に、肩こりや腰痛などへのセルフケアもやっているというケースも多いです。
その際に、肩や腰だけでなく、肩こりがあれば肘や手のコリ、腰痛があれば膝や足のコリをセルフマッサージなどでケアしてみると良いですね。
アトピーの症状に対しても思わぬ効果があるかもしれませんよ。
【夜間のかゆみが強いアトピーのケース】
主訴:かゆみ(特に夜間)、首肩こり
考察:浮腫があるが皮膚表面は乾燥している。脊椎まわりのコリが強い。
施術:鍼、カッピング
経過:施術開始後1ヶ月は順調にかゆみが軽減していったが、2ヶ月目はかゆみ症状の変化なし。その間もコリは軽減していった。3ヶ月目(現在)に入るころから再びかゆみが軽減している。夜間のかゆみはほとんど気にならなくなっている。
ツナガリが大切~肩こりと肘の痛みの鍼治療とカッピング~
治療していて常に考えること。
「身体のツナガリ」
そんなの当たり前だろ!
そう思いますよね。
そう、当たり前。
身体はつながっているんです。
頭も
首も
肩も
胸も
腰も
手も
足も
指先も、、、
全部つながっているんです。
そのつながりは形だけではありません。
大切なのは「動きのツナガリ」。
肩こり、腰痛、手足の痛み。。。
動きがつながっていないから起きてくること。
バラバラに使うとそれぞれの負担が大きくなります。
大きなモノを持ち上げようとするとき、1人よりも3人、3人よりも10人で力を合わせた方が楽ですよね。
ただし、10人のタイミングや力の方向を合わせていく必要がありますよね。
しかも無意識に。
身体の中を考えても同じことが起きています。
少ない筋肉をフルパワーで使って動くより、より多くの筋肉をバランスよく使えれば最小限の負担で動くことができます。
力を入れることよりも、力を抜くことを考える。
力を抜くことで関節はうまく動いてくれます。
「そんなに肩肘はった生き方をしていると疲れるよ」
精神的な無理を言い表すことが多いですが、実際の身体の使い方にも当てはまります。
肩や肘、あるいは手首などある部分に偏った力の使い方をすると、ロボットのような直線的な動きになります。
どこかに力みがあると肩や肘などの関節で動きのツナガリが途切れてしまうんです。
そんな身体の使い方をしていると、身体的にも精神的にも疲れてしまいます。
動きのツナガリへのブロックを解消するとうまく連動できるようになります。
これはスポーツ選手に限った話ではなく、普段の日常生活でも同じこと。
モノを持つ
洗濯物を干す
料理を作る
何かの動作をするときは必ず関わってくること。
骨のツナガリ、筋肉のツナガリを考え、身体全体としてのツナガリをつくっていくことが大切です。
【肩こりと肘の痛みのケース】
主訴:肩こり、肘の痛み(外側)
考察:腰周りの硬さ、胸郭全体の硬さ、足の冷え
施術:鍼、吸い玉
経過:肘の痛みは2回目の施術後には強く力を入れない限り痛みは出なくなり、5回目の施術後には痛まなくなった。肩こりも順調に筋肉の緊張はやわらいでいったが、肩がこる感覚は5回目までいったりきたりだった。6回目の施術後から急激に楽になり始め、8回目の施術後にはほとんど肩こりを感じなくなった。
現在、疲労感が強まった時にご来院されている。
お腹をこわしたら腰が痛くなって、、、~腰の痛みの鍼灸治療とカッピング~
お盆休みで心身ともに養生できました!
おそろしく体調が良く、人間休みも必要だと実感しております。
さて、お盆休み前にご来院された方。
お腹を壊した後にぎっくり腰のような強い痛みが出たとのこと。
上半身が左斜め前方に傾き、歩き方はぎっくり腰の様相でした。
【腹と腰】
お腹の不調はいろんな影響が出るものです。
今回は胃腸の不具合でしたが、今回の方のように腰に痛みが出ることも。
そのメカニズムは完全に解明されているわけではありませんが、、、
お腹の不調が背中や腰の痛みに関わるのは、内臓を支配している自律神経と背中や腰の筋肉を支配している神経の走行に関係しています。
そのことが鍼灸の治効理論(なぜ効くかという理屈)にもなっています。
ちなみに、腰痛の改善に効果的な「大腸兪」という腰にあるツボは、文字通りお腹の調子を整えるのにもとても効果的です。
また、便秘や下痢など大腸の調子を崩したときによく使う「天枢」というお腹にあるツボは、急性慢性に関わらず腰痛に効果的です。
と、腰とお腹は関わりあっています、ということですが、要は一つの身体です。
当たり前ですが、全身ひっくるめて一人の人間ということなんですよね。
【下痢をしたあとにぎっくり腰になったケース】
主訴:腰の痛み
考察:脾虚、寒湿、左胸背部の緊張、食欲不振、内科で処方された薬を服薬中
施術:鍼灸、カッピング
経過:施術2回を終えた時点で腰の痛みは消失。治療終了。
モゾッとしたような~逆子治療のお灸とエクササイズ~
最近、立て続けに9名ほど逆子のお灸のご依頼がありました。
知人の先生からのご紹介もあり、しっかりプレッシャーをかけられました笑
逆子のお灸はナゼかご依頼が集中する時があるんですよね~
不思議です。
ちなみに、7月にご来院された方は皆さん逆子が戻りました!
【いろいろな逆子パターン】
逆子と言っても、状況はそれぞれ違います。
・お灸を始める週数の違い
・赤ちゃんの胎位と胎動
・ママさんの体質と状態
いろいろです。
これらの条件によって施術方法が変わりますし、使うツボも変えています。
【逆子のお灸のタイミング】
逆子のお灸は28週前後から行うのが一般的ですが、それ以前に医師からすすめられることもあります。
逆にもっと遅い時期から始める場合もあります。
ギリギリまで様子をみるよりも、早め早めに手を打っていく方が良い結果が得られることが多いです。
これまでに最も遅い時期から施術を開始したのは36週と2日。
その方の場合は、2日連続で施術、1日空けて、再度2日連続で施術を行った日(施術4回目)の夜に逆子が戻りました。
同じように36週に入った日から当院でお灸を始めた方で、残念ながら頭位にならなかったケースもあります。
確率から言うと遅くなるほど戻らない場合が増えます。
ゆったりしたペースで3~4回くらいは施術したいというのが本音です。
そのため、遅くても32週くらいまでには1回目の施術を終えていると施術の予定も組みやすくなります。
【赤ちゃんの胎位と胎動】
赤ちゃんの位置や姿勢も様々で、殿位にしても左向き、右向き、足を曲げていたり伸ばしていたり、、、
胎動が大きな赤ちゃん、胎動が少ない赤ちゃん、胎動は小さいがよく動く赤ちゃん、たまにボコンと動く赤ちゃん。。。
赤ちゃんそれぞれで違います。
お灸をすえる際に「赤ちゃんがいる場所」や「ママさんの身体の左右バランス」を考慮しながらお灸をすえます。
赤ちゃんの胎位も触れれば大体分かりますが、産科検診で分かっている情報もお伝えいただけると助かります。
【ママさんの体質と状態】
ママさんの体質やその時の身体の状態もお灸をすえる際に考慮しなくてはならない要素です。
寒がりか、暑がりか、湿や熱がこもりやすいのか、筋肉が硬くなりやすいのか、水分代謝はどうか、お腹が張っているのか硬いのか、足の張りはどうか、、、
体質やその時の状態により使うツボも変わってきます。
【至陰の灸】
逆子のお灸では「至陰(しいん)」という小指のツボが超有名。
その他に、私は三陰交、合谷、命門、腎兪、太衝、太渓、足三里などもよく使います。
逆子のパターン、ママさんの体質、妊娠週数に合わせてツボを選んでお灸をすえるのですが、やはり昔から効果的とされている至陰は強い力があります。
至陰というツボの作用もさることながら、太陽経上または三焦経上というのが大切だと考えています。
ちなみに、私は少し足を動かしてお灸をすえることもあります。
鍼もお灸もポジショニングが大切ですからね。
【お腹を柔らかくするエクササイズ】
逆子体操と呼ばれるものがありますが、当院で一般的な逆子体操をすすめることはありません。
*もちろん体操をやるやらないは個人の自由です。
近年、産科医師も逆子体操をすすめることが減ってきていますからね。
効果がハッキリしないというのが大きな理由です。
また、多くの逆子体操はポージングがキツい上に体操そのものが長時間であり、ママさんの負担が大きいということもあります。
私がおすすめしているのは、あお向けで行う簡単なエクササイズ。
エクササイズにもよりますが、1~5分程度です。
腰痛や赤ちゃんが大きいためにあお向けがつらい方は椅子に座った姿勢で行うこともあります。
ママさんの足腰やお腹の状態をみながらその方に合わせてエクササイズをアドバイスしています。
【逆子のケース】
主訴:逆子
考察:陽虚。肩こり、浮腫、冷えあり。
施術:灸、マッサージ、エクササイズ
経過:30Wに入ったところで逆子治療開始。食事は既にかなり気を付けておられたため食事指導は無し。1、2回目の施術時は胎動がさかんになるものの逆子が戻ったとは感じなかった。3回目の施術中に頭位に変わった感覚あり。次週の検診時に頭位を確認。出産まで自宅灸を継続し、予定日翌日に無事出産。