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もう一度ピッチャーを~肩こりと野球肘の痛みの鍼治療と吸い玉とマッサージ~
学生時代はずっと投手をしていた方。
高校時代に肘痛を繰り返し大学時代にかなり良くなったものの、今でもある程度の球数を投げると翌日は痛くなるとのこと。
20年近く肘に痛みがあることになります。
今はリリーフとして1~2イニングのみの登板にしているが、できればまた先発投手として完投できるようになりたいということでご来院されました。
息子さんが野球に興味を持ちはじめているようで、
「今のうちにかっこいいところを見せたいんですよね笑」
とも。
わかります、その気持ち。
【繰り返される痛み】
野球肘や野球肩は、繰り返す痛みに悩まされている選手が多いです。
学生時代の怪我を大人になっても引きずっているケースもよくあります。
野球肩や野球肘の痛みは、数週間~数ヵ月のノースローにより一時的に痛みが出なくなります。
「治ったかな?」
そんなふうに感じることもあります。
しかし、ほとんどのケースでは一時的に痛みが出ていないだけで治ったわけではありません。
何試合かこなすうちに痛みが再発することが多いです。
これは、原因(フォーム、関節の柔軟性、筋肉の硬さ、身体そのもの、意識など)が改善されていないためです。
*明らかに手術が必要な状態は除いて考えていきます。
筋肉や関節の硬さがある程度強くなると、ノースローだけで筋肉や関節が柔らかくなることはほとんどありません。
一時的に局所の炎症がおさまったために痛みを感じなくなっただけです。
全体的な筋肉の硬さなどが軽くなったとしても、局所のしこりとして残っています。
もちろん全身の柔軟性不足やフォームの問題なども改善されません。
【悪循環を断つ】
この繰り返す痛みはケアによって改善することが出来ます。
医療機関などでの治療でも自宅でのセルフケアでも良いのですが、治りきらずに残ってしまっている部分をケアし繰り返す痛みの悪循環を断つことが大切です。
いくらフォームが良くても、身体のどこかしらにひずみがあると必ずその影響が出てきます。
地味な作業ですが、ひとつひとつケアしていくしかありません。
今回は首肩こりの治療希望もありましたが、首肩こりと肘の痛みが関連していることは多いです。
と言うよりも、肘に痛みが出ている投手では首肩こりも必発しています。
それに気づいているか気づいていないかという違はありますが、コリそのものは出ています。
なので、申し訳ないのですが、希望がなくても必ず首肩の治療は行います笑
お一人お一人でケアすべき部分は変わりますが、肩や肘の局所的な硬さをとっていくこと、脊椎や股関節という体幹のケアをしていくことで痛みの悪循環を断つのが基本となります。
「フォームは良いはずなんだけど、、、」
という方は一度しっかりとケアしてみることをおすすめします。
【投球翌日に肘が痛くなる投手のケース】
主訴:肘の痛み、肩や肘の硬さ、肩こり
考察:肘関節の内側靭帯にゆるみ。肩甲骨外転・下方回旋、肩関節外転内旋・前腕回外・股関節屈曲可動域制限。利き腕側の頚部の筋緊張が非常に強い。日常生活では肘に痛みは無い。
施術:鍼、吸い玉、マッサージ
経過:施術結果をみながら1ヶ月間は投手としての投球は控えキャッチボールのみ。2ヶ月目は3イニングまで、3ヶ月目に4イニング、4ヶ月目に5イニングと徐々に投球回数を伸ばしていった。順調に回復しており、現在は80球程度なら翌日の痛みも起こらない。相手打線によっては完投も可能な状況となっている。