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2016 / 10 / 02  20:47

【カッピング(吸玉、吸角)の場所】どこにやるのが効果的?ツボ?筋肉?セルフカッピングの注意点は?

当院ではカッピングをよく行います。

逆子の灸や小児はりでご来院されたかたには用いませんが、その他のかたはカッピングと鍼灸を併用した施術をよく行います。

 

 

 

そんなカッピングについてよく聞かれること。

 

「どこにつけるんですか?」

 

 

 

カッピング施術前に大まかな施術内容やカッピングの説明をしている時にこういったご質問を受けることがあります。

 

 

 

「背中につけるんですか?」

「どこにつけると効くんですか?」

「ツボですか?」

「首にもやりますか?」

「跡はどのくらいで消えますか?」

 

他に

 

「他の人から見えるところはちょっと抵抗が」

「プールに行く予定があるのであまり跡がつくと目立ちそうで」

 

という方もいらっしゃいます。

 

 

 

「もう、どこでも良いからどんどんやって!」

 

という方が多いのですが、それでも首など目立つ場所は必ず確認します。

 

首や明らかに外から見える場所にカッピングを行う必要があると感じる時は、必ずカッピングをしても大丈夫か事前に確認しています。

 

無理にカッピングを行うことはありません。

 

 

 

さてさて

 

カッピング施術中に聞かれる「どこに?」というとき。

 

これは

 

カッピングをする場所の判断基準

 

という意味でのご質問で

 

なぜそこに?

 

ということですね。

 

 

 

「ツボにつけるんですか?」

「場所が決まっているんですか?」

「左右で違う場所にやるんですか?」

「頭痛なのに背中にやるんですか?」

「皆さん同じ場所ですか?」

「痛いところにやるんですか?」

「痛いところにはやらないんですか?」

 

というようなことです。

 

 

 

これに対する答えとしては

 

「臨機応変です」

 

ということになります。

 

身も蓋もないと思われるかもしれませんが、そんなものなのです。

 

 

まず、基本的にカッピングを行う場所は決まっていません。

私は特別な場合を除いてカップをたくさん着けることをしませんし、事前に場所を決めて行うことはありません。

 

たくさんカップを着ける鍼灸院では、背中や足など全体で30個くらいは着けていると思います。

マニュアル的にカップを着けるツボを最初から決めている院もあります。

 

ひとまず、一般によくカッピングを行われている場所を参考のために書き出してみます。

 

  • 項部(頚百労というツボ付近)
  • 肩甲帯付近(肩井、天宗、臑兪、中府などのツボ付近)
  • 背部全体(大椎、背部兪穴などのツボ付近)
  • 骨盤帯付近(八髎穴、居髎などのツボ付近)
  • 下肢(殷門、委中、承山、風市、血海、陰陵線、足三里、条口、湧泉などのツボ付近)

 

このあたりが一般によく行われています。

場所は様々ですので、その場所に合わせて装着しやすいようにカップの大きさを調整します。

 

 

 

カッピングの場所を決める際には、ツボに合わせてカップをつける時もあるし、皮膚や筋肉の状況をみて場所を決めるときもあります。

筋肉が凝っている場所に着けることもありますし、逆に柔らかすぎるくらいになっている場所に着けることもあります。

基本的に場所は決まっておらず、その場その時の状態次第で変わります。

左右で同じところに行うこともありますし、片側だけ行ったり、わざと場所をズラして行うこともあります。

自覚症状は腰痛でもカッピングを肩に行うようなこともありますし、腰だけにカッピングを行うこともあります。

場所はバラバラです。

痛いところに行うこともありますし、そうでないことも多いです。

痛いところにやらないというわけでもありません。

姿勢や症状でだいたいの当たりはつけていますが、その方その時によって変わるので実際にみてからでないと確定できません。

目的によっても変わります。

 

臨機応変ということなのですが、文章に書いて説明しようとすると上のように長ったらしい説明になってしまいます。

 

 

 

私がカッピングを行うときは

 

◉皮膚…皮膚の緊張、凝り、温度、湿度、色、動き、肌理、癒着、過去の怪我や手術など

◉筋肉…筋肉や筋膜の緊張、凝り、萎縮、膨隆、動き、全体的な硬さ、部分的な硬さ、癒着、過去の怪我や手術など

◉特定のツボの作用

 

この皮膚・筋肉・ツボの3つを考慮しながらカッピングを行う場所を決めます。

 

この判断基準は鍼灸師によって違いますし、施術の組み立ての中でも変わります。

 

カッピングだけを行う人もいますし、鍼や灸を併用したり、マッサージを併用するなどいろいろなケースがありますから。

 

その時の状態や状況に合わせて適宜選択するということで、どれが正しいということはありません。

 

 

 

カッピングによる作用の中で最も有名であり重要なのが血液やリンパ液など体液循環への作用です。

 

どこにカッピングをすれば効率よく循環に変化を起こせるのか。

 

そのために筋肉や皮膚の緊張をみたり、冷えや熱、温度や乾湿をみたり、ツボをみながら判断していくわけです。

 

 

 

お一人お一人カッピングを行う場所は違います。

一定の決まった場所はありません。

使用するカップの数も違います。

吸着する圧や時間も違います。

 

 

 

症状によっても違いますし、たとえ同じ人であってもその時によって場所が変わります。

 

 

 

体は日々変化しています。

 

たとえ自分では感じなくても。

 

 

 

ご自宅でセルフカッピングを行うなら

上にはごちゃごちゃと書きましたがそれは私がカッピングを行う時の話です。

自分で首凝りや肩凝りのケアのためにカッピングをするなら、気持ち良いところにやればOKです。

ただし、捻挫など怪我の急性期や炎症が起きている場所には行いません。

軽く足が浮腫んでいるような時は良いのですが、浮腫があまり強いところも避けます。

 

◉首や肩で凝りを感じる場所

◉カップをつけてみて気持ちの良いところ

 

この2つが自分でわかりやすいですし、失敗がありません。

 

よくわからなければ試しにカップを軽くつけてみて、そこが気持ちが良ければ基本的には問題ありません。

 

あとは、商品の説明書に書いてある取り扱い方や吸着時間を目安にすれば良いです。

 

時間としてはだいたい数分です。

 

効果を出そうと欲張って強くつけたり長時間つけるのはやめましょう。

 

くれぐれも「カップを着けたまま寝てしまった」というようなことがないように!