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ねっとりしたしつこい肩こり。カッピング~痰湿の缶象から~
施術に絶対はありません。
当院ではカッピングをよく用いますが、カッピングも人間の身体にとり絶対に必要なものでもありません。
無ければないで別の方法で対処するだけですからね。
ただ、便利なことも多々あります。
カッピングをした時に皮膚につく跡を「缶象(かんしょう)」とも言います。
缶象については日常的にご質問を受けることですし、臨床上参考になる現象なので改めて書いておこうと思います。
【缶象いろいろ】
中医学では、缶象のつきかたも身体の状態と照らし合わせて考えていきます。
・色が濃くつく
・色が薄くつく
・ほとんど色がつかない
・全体にまんべんなくつく
・縁だけ色がつく
・縁が凹む
・中央が盛り上がる
・場所により差がある
・場所による差がない
などなど、様々な缶象があります。
*マッサージ、指圧、鍼灸などを行った際に施術場所が数分~十数分程度ピンク色に反応することがありますが、カッピング後にも同様な現象がよく起こります。それは施術により血管が広がり血流が促進されたことによるフレアー現象と呼ばれるもので、厳密な缶象とは違います。カッピング後のフレアー現象も施術後数分で消えていきます。
【人それぞれ】
同じ吸引圧でカッピングを行ったとしても人により全く缶象が違います。
肩にだけ跡がつく方がいれば、腰にだけ跡がつくことも。
カッピングをして数秒で跡がつく方がいれば、数分間つけっぱなしでも全く跡がつかない方も。
3日で消えることがあれば、10日くらいかけてゆっくり消えていくことも。
その方の体質や症状、今の身体の状態によって缶象の現れ方は様々です。
元々の体質や現在の全身状態が缶象に反映されています。
局所的な要素としては、表皮の柔軟性や湿潤度、真皮の状態、筋肉の緊張度、毛細血管の状態、浮腫の有無、汗や皮脂の分泌量などが缶象と関係しています。
【症状と缶象】
施術時は、自覚症状・他覚症状・缶象の3つが一致しているかどうかをみていきます。
先日ご来院された方は、ご自分の肩こりの感じを
「硬いお餅がたくさん肩についているみたい」
「しつこくて、嫌な感じ」
と表現されました。
手足にも浮腫があり、朝のこわばりもあり、などなど、、、といった症状でした。
こういうケースを中医学では「痰湿」が関係していると考えます。
特にカッピングが合うケースですね。
缶象としては吸い玉の縁の丸い後が強くつき、中央が盛り上がる傾向があります。
痰湿が軽ければその跡は数分程度で消えますが、強い場合は数時間跡が残っていたりします。
カッピングは古代から行われている非常に単純な施術方法ですが非常に便利なものです。
古代のこと、誰が思いついたかわかりませんが。
ありがたいことです。