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神経が伸びる?アトピー性皮膚炎の痒み(鍼治療)
鍼灸でアトピーなどの痒みのケアをする場合は、西洋東洋のこだわりなく様々な要素を考えていきます。
◉皮膚の乾湿
◉寒熱配分
◉知覚過敏
◉筋膜・筋・腱
など
当院で鍼灸治療をする際は、皮膚の潤いと熱の配分という面を重視しています。
実際の施術は、鍼のみを使う施術となることが多いです。
ただ、今日は東洋医学的な皮膚や臓腑、筋骨格系の考え方はおいておいて、ひとまず保湿の面から一般的な肌のケアを考えてみます。
【皮膚の乾燥】
皮膚の乾燥、荒れ、カサカサ。
このことにより皮膚のバリア機能(免疫機能)がうまく働かなくなります。
それによりアトピーを悪化させたり痒みを強くさせることはよく知られています。
アトピーや痒みのケアで「保湿」が重要と言われる所以です。
皮膚科で保湿をするよう繰り返し言われた方が少なくないはずです。
【痒みと伸びる神経】
皮膚は、表側から角質→表皮→真皮→と深まっていきますが、痒みを感じる知覚神経は真皮層に多く存在しています。
しかし、皮膚が慢性的に乾燥していると通常なら真皮層に存在している知覚神経が表皮まで伸びてきます。
場合によっては角質層間際まで伸びてくるようです。
本来は真皮にとどまる神経が皮膚表層の表皮まで伸びることで知覚が過敏になります。
そのため通常なら気にならない衣類と皮膚の摩擦などの弱い刺激にも反応し痒みを誘発してしまうのです。
【痒みと脊髄反射】
また、皮膚のバリア機能が低下すると、皮膚からのアレルゲン侵入を許してしまいます。
これは皮膚の炎症反応にもつながります。
皮膚に炎症が起こると、皮膚の知覚神経(受容器)からの信号がどんどん脊髄に伝達されます。
その信号を感知した脊髄の神経細胞では「異常」を知らせるシグナルとして更なる痒みを誘発します。
これは脳を介さず脊髄レベルで起こりますが、痒みが慢性化している場合はこの悪循環のルートが強化されています。
【まず保湿】
アトピー性皮膚炎やその痒みのある方は、まず皮膚科で治療を受けることが第一です。
それと平行して保湿をしていくのがセオリーです。
ここで、ちょっと一言。
現在のアトピー性皮膚炎の治療薬は飛躍的に進化しています。
10年前までは治療受けていたけど今は放置している、、、というような状況の方は諦めず皮膚科にかかるべきです。
その治療をしなかったり中途半端にしかやらないとせっかくの機会を逃してしまいます。
さて保湿ですが、、、
皮膚科で処方される代表的なものがヒルドイドクリームやヒルドイドソフト軟膏です。
保湿はもちろん皮膚の保護なのですが、保湿することで皮膚の一部分である知覚神経も保護されます。
肌ケアをしていたけど効果が無かったから挫折したという方もたくさんいらっしゃいますが、そのときの体調でも随分効果が変わります。
皮膚の状態が悪かったピーク時や疲れが最高潮の時は何をやっても上手くいかないことも多いものです。
皮膚の状態が悪い時はどんな保湿剤を使ってもうまくいかないこともありますが、逆に状態が良くなってくれば何を使っても良くなります。
安価なものでも何かしらのクリームや保湿剤で保湿をしていると全く症状が出なくなったという方も多いですからね。