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勘違いする脳
先日、人間には不要なものは無いと書きました。
何人かの方と鍼灸院でもその話題になりました。
「不要なものは無い」
けど
「不要に思えるものはある」
とか。
必要だけど、時に不要だと思えるようなことってありますよね。
「この嫌な痛みさえ感じなかったら」
「この煩わしい痒みが無かったら」
そう思うことがあって当然です。
長く痛みが続いていれば、痛みを感じないで暮らせたらどんなに幸せかと考えたり。
人間の心身は実に巧妙に働いていますが、時にうまく働いてくれないこともあります。
そんな場面がある代表的なものが「脳」です。
最高中枢としての脳。
脳は、日々膨大なタスクをこなします。
エラーを起こすこともあります。
勘違いもします。
脳も完璧ではありません。
むしろ知れば知るほど不完全。
心臓や関節や筋肉などはほぼ完全な機能なものとして感じます。
でも脳は。。。
完全と不完全が同居しているような。。。
勘違いするものこそ「脳」です。
いろんな些細な勘違いも脳からうまれます。
*勘違いには脳だけでなく体も関わるのですが、話が複雑になるのでひとまず置いておきます。
痛み、痒み、凝り、、、これらは人間にとって必要な感覚ですが、これにも本当に必要なものとそうでないものがあります。
痛みなどは不快な感覚ですが、これが全く無ければ幸せどころか大きな不幸につながります。
怪我をしても痛くない、虫に刺されても痒くない、そうなったら問題ですよね。
危険信号としての感覚は絶対に必要なものです。
でも、危険信号としての痛みなどが必要なくなったのに痛みや痒みが続いている状況もあります。
腰痛や肩こりなどの慢性痛の多くはそういった状態です。
急性期は必要な痛みですが、それを過ぎても痛みが無くならない。。。
どんなに検査しても異常は無いのに痛みは続いている。。。
そんな原因が特定できない痛みがたくさんあります。
そういった状況も脳の誤作動というか、エラーというか、そういうことから生じてくることがあります。
人間も他の動物と同じようにシンプルな暮らしをしていた時代があり、そこから急激に文明が進化してきました。
文明は進んでも、人は急には変われません。
「脳」のエラーはそんな人間の進化の過程が影響しているのかもしれませんね。
動物と同じ暮らしに戻れるかと言われれば、それは難しい。
でもその一部というか、エッセンスは取り戻せます。
そういう部分が必要なのだと思います。