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本
同業のかたに施術していると、たまーに聞かれることがあります。
「鍼灸で読んでみたら良いという本がありますか?」
で、
「何でも良いと思いますよ」
と答えます。
「鍼灸を理解しやすい入門書とかありますか?」
これもたまーに聞かれます。
これまた難しいです。
鍼灸っていろんな施術への考え方がありますから、そもそも入門書ということが言えるのかどうか。
入門書と言われているような本の内容と実際の現場が全く違うなんてことはザラです。
入門書のような帯がついていて一見読みやすくても、実は凄く奥が深い内容の本のこともあります。
中医学の入門書ならオススメのものがありますけど、初学者ならある程度内容が分かっている人と読み込まないとほとんど意味不明だと思います。
言葉の意味は分かっても、実際にどういうことを言っているのか腑に落ちないはずです。
昔なら本から得られる情報は少なく、まずはひたすら師匠のやり方を踏襲しつつ、慣れるに従ってそこへ自分の味が入っていき、本も読み研究し、最終的に自分の型ができるという感じですが、今はまた違う、のかもしれません。
現在では様々な優れた研究もされています。
先にそれらの情報に触れることも多いですし、昔の素晴らしい文献も電子化されていて手に入れやすいです。
本や文献との関わり方も変わってきているのでしょう。
個人的に気に入っている本はありますが、それがその方に合うかどうかは分かりません。
趣味も志向も嗜好も皆違いますからね。
そして、ある時は「すごく感動した」と思っても、違う時に読んだら「んーイマイチ」と思うこともあります。
人によって響くポイントは違いますし、その場その時でも響くポイントが変わりますよね。
優れた本は山のようにあります。
私も本からたくさんのことを学びました。
私は、一つのことを深く追求するタイプですし、気に入った本は何度も繰り返し読む派です。
鍼灸施術する時はいろいろな手法を用いますしマッサージなどと併用することもありますが、施術方針というか施術に対する基本原則は私の中では統一されています。
だから毎回話すことが同じです(笑)
でも、進歩してないわけじゃありませんよ(笑)
医療関係ではない本からもたくさんの施術のヒントをもらいました。
小説のたった一行の分から大きなヒントをもらうこともあります。
だから、読むのは「どの本でも良い」と思います。
宝はどこにあるのか分かりません。
ただ、宝は偶然落ちていません。
たとえ偶然に落ちていたと思っても、それまで探していたからこそ見つけられたのだと思います。
これまでホントに沢山の本を読みました。
ペラペラの冊子みたいなものから分厚いものまで。
難解なものからマンガまで。
どれも私の財産です。