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2016 / 05 / 03  06:37

産後に出た腰痛とうつ症状の鍼灸治療

産後は体調面の変化が大きい時期です。

 

それは妊娠中もですが。。。

 

妊娠前より元気になったという方もいれば、どうも体調がすぐれないという方もいらっしゃいます。

 

人それぞれ体質も違いますし環境も違いますから、体調の変動も人それぞれです。

 

そして、産後の不調は出産による身体的変化と育児やもろもろのことによる身体的・精神的な負担が絡み合っているためその症状は複雑になることがあります。



 

産後の体調不良でよくあるのは腰痛肩こり母指の腱鞘炎などの痛みの症状が有名ですが、特にどこが痛いわけではないけどやたらと疲れやすくて、、、というような場合もあります。

 

必死に育児をするうちに自分のことはどうしても後回しになりがち。

 

「気づいたら1日終わってた」

 

そんなことが普通にあります。

 

特に初産では勝手が分かりませんから自分の体調をつかみにくく無理をしがちになってしまいます。

 

「産後だから仕方ないのかも」

 

「産後の貧血のせいかな?」

 

と鉄剤を飲んだりしながら様子をみていることも多いようです。

 

そのうちに食欲や日常の意欲に変化が起きてきたり、肩こりや腰痛などがひどくなって医療機関を訪れる。。。

 

そんな方が多いようです。



 

産後のうつは、かなり症状が強くなってから病院を受診することも多いようです。



いえ、受診はしているんですよね。



でも相談はしないまま、、、

 

ただの疲れだから、、、

 

他の人も同じだろうし、、、



産後の健診や乳児健診などで診察を受けているのですが「単に育児疲れや寝不足」だと自己判断し医師に相談したことがないというママさんのお話もよくお聞きします。

 



産後のケアでご来院されている方も

 

「今ならすぐに病院で治療受けようと思うんだけど、、、当時は思いつかなかったのよね」

 

というような方が多いんです。

 

それだけ育児は大変だということですし、毎日必死なんですよね。

 

冷静でいるのはなかなか大変なことです。

 

 

 

今回のママさんも、とても強い疲労感を感じておられました。

 

健診では鉄欠乏性貧血もなく良好ということでしたが、寝不足や諸々の疲労により腰痛もひどくなる一方という状況。

 



とにかく疲労回復と血液循環を考えながら鍼灸治療を中心に組み、骨盤周囲筋群のケアも同時に行いました。

2016 / 05 / 01  06:31

野球肘の鍼灸治療・カッピング

当院にはスポーツ傷害の鍼灸治療目的でご来院される方も多いのですが、その中でも最多なのが野球で生じた痛みです。

今回は、バッティング時に肘に痛みが出ていたケースです。



・ボールを打ちこむ数を増やすと左肘が痛くなる
・右投げ左打ち(小学生のころに左打ちに変更)
・肘痛の既往無し



トスバッティングやティーバッティング、マシンでのバッティングなど、バットを数多く振るうちに少しずつ肘へ負担がかかっていたと考えられました。

お話を聞く限り、クラブチームの練習日以外は毎日のように自宅近所のバッティングセンターに通っていたのも影響が大きかったか。。。



この選手もいつもと同じように投球と打撃のシーンをビデオ撮影してきてもらい一緒にチェック。

そこで気になったのが肘・股・膝関節の使い方。

コンパクトなフォームで上半身の回転で打つタイプで、上肢の操作にはあまり気を使ってこなかったようでした。



「ボールに当たる=コンパクトなスイング」

という考えにより

「上半身の回転重視」

「股関節以下の回転がほとんど無い」

また

上半身の回転をいきなりトップスピードに持っていくために肩甲骨周りや上肢の動きを抑えすぎており、リストの力でバットをコントロールしていました。

こういうケースは珍しいことではなく、比較的体格に恵まれていてパワーもある、、、でも柔軟性は低いという選手に多い印象があります。

もちろんコンパクトなスイング自体は悪いことではないのですが、股関節や上肢の動きまで省いてしまうとせっかくの力が活かせなくなります。



身体というのは多くの筋肉をバランスよく使うほど柔軟な動きを出せます。

よく「脱力」というキーワードが言われますが、これは筋力を使わないということではなく、1つの筋肉に頼らずバランスよく身体を使うということです。

今回のケースで言えば、上半身に遊びがなく股関節や肩甲骨の動きを活かせていないことで、その周辺の筋肉は「動く」ためではなく「固定する」ために働いてしまいます。



治療では、うまく身体が操作できるように、うまく動かない筋肉や関節部分がスムーズに動くように施術していきました。

具体的には、頚部の右回旋・左右の肩甲骨の内外転・股関節の回旋の動きが改善するようにすること、下肢外側の筋緊をとることを中心に鍼やカッピング、マッサージを施術しながら、肘と膝の連動の感覚を覚えてもらうようにしました。

もちろんセルフケアとして動的なエクササイズも組み合わせながらです。

筋肉の緊張や疲労をとるために鍼灸やマッサージは有効な手段ですが、野球に限らずスポーツ選手へのケアで大切なのは、筋肉や関節をケアすることに平行して良い動きをつくっていくことだと考えています。

 

 

注意:当院ではフォームチェックは行ってもフォーム指導は行いません。フォームをチェックすればどこに負担がかかりやすいか、どこを施術すればよいか分かりますから。しかし、、、チームの指導者にはそれぞれの方針のもとに個々に指導しているところに私が余計な一言を言ったら、、、選手は迷ってしまいます。施術時にしか指導できない私がそれをするのは無責任です。