ブログ
寒さに強いですか?
寒さ暑さに対する対応力は人それぞれです。
ちょっと寒くても調子を崩す人もいますし、真冬に半袖の方もいます。
犬は喜び、猫はコタツ。
寒いのが苦手なシロクマもいるかも。
いろいろですよね。
寒さが徐々に強まる今日この頃。
首が、、、
腰が、、、
膝が、、、
と連日電話が鳴ります。
寒さに加えて、大きく湿度の変化があった日は特に。
中医学には、寒の直中(じきちゅう)という表現があります。
字のごとく
「直に中る(じかににあたる)」
寒が体の中まで直にドーンと入ってくることを言い表した言葉です。
抽象的だと感じますか?
でもこれ、実際によくあります。
「外に出て、寒っ!と思った瞬間に腰がぎくっとなって、、、」
「冷たい風が吹いたと思ったら、急に腕が痛くなって、、、」
中には
「冷たい水でお風呂を洗っていたら痛風の痛みが再発しました」
なんていうケースもありました。
東洋医学では、鍼灸でも按摩でも指圧でも漢方薬でも寒さや暑さという要素を施術に活かしています。
暑いとか寒いというのは、ごく当たり前な感覚ですよね。
それ自体に良い悪いはありません。
冬は寒いし、夏は暑いのが当たり前。
そんな当たり前の感覚を、心身の状態判断、施術そのもの、結果の判断などにも繋げていきます。
暑さ寒さなんて、、、
素朴?
自然?
原始的?
旧時代的?
面白い?
人によって感じ方はそれぞれだと思いますが、私にはしっくりきます。
東洋医学とアイシング
アイシングやクーリングについては過去に何回か書きましたが、今日はちょっと視点を変えて。
【東洋医学と西洋医学】
アイシングという言葉は西洋から入ってきたものです。
そのため、アイシング(冷やすケア)についての文献を調べると西洋医学的なものは膨大な量が出てきます。
もう、ホントに凄い量。
東洋医学的なものはほんのわずか笑
まぁ、このあたりは東洋医学の苦手とする部分です。
一人一人の様々な要素を考えて治療をしていく東洋医学は、そもそも言語化することを考えていませんからね。
東西で分けて考えるより、きちんと一人一人をみていけば良いんじゃないかなと思います。
でも、私は鍼灸師なので、今日は東洋医学的に「冷やす」ことについて書いていきます笑
【寒熱】
東洋医学には様々な概念がありますが、その中に「寒熱(かんねつ)」というものがあります。
「さっそくワケわからん」
と感じた皆様、サラリと流してくださいませ。
寒⇔熱
寒だから病気だとか、熱だから病気とかいうことではありません。
人の内と外をみる時にちょっと役立つ、くらいに思ってもらえれば良いと思います。
また、寒の中に熱もあり、熱の中に寒もあります。(こんなことを書くと「だから東洋医学は意味不明」とか言われてしまいますが笑)
【アイシングという考えは昔から】
アイシングという言葉は西洋から入ってきて定着したものです。
ただ、治療として体を冷やすとか患部を冷やすという概念が日本に無かったわけではありません。
古来から、冷水に浸した手ぬぐいで冷やしたり、打撲などの怪我に対して潅水(冷水浴)するような治療法などがあります。
アイシングというよりクーリングですね。
熱っぽく感じた時に冷やしてみるのは自然な成り行きですからね。
手ぬぐいくらいで、、、
と感じられるかもしれませんが、これがバカにできないんです。
水の持っている冷やす力はとても強いです。
氷がなくてもかなり冷えます。
古来から東洋にあった「冷やす」という対処方法ですが、現代の西洋医学と東洋医学では冷やすための考え方が異なります。
東洋医学では「冷たいもので患部を直接冷やす」という方法以外に「患部以外を冷やすことで結果的に患部も冷える」とか「温めることで熱をとる」などの方法も用います。
冷やすための方法もいろいろです。
【炎症を抑えることと熱をとること】
現在、現場でのアイシングはアイスパックや氷嚢などを使って局所的に筋肉や関節を冷やすというやり方がほとんどです。
局所の炎症を必要最小限に抑える、循環改善、鎮痛などの目的のために行います。
設備を準備できる環境があるなら、プール、タンク、冷気を直接吹き付ける機械などを使うことも可能ですね。
これらは西洋医学的な考え方ですが、じゃあ東洋医学では違うかと言うとそうでもありません。
結構似たところがあるんです。
東洋医学では「冷やす」「熱をとる」ための考え方・やり方をまとめると、、、
*イメージしやすいように、肩や肘に痛みや熱があると仮定します。
①肩や肘など痛みや熱がある部分に直接施術して熱をとる。
②肩や肘とは全く違う場所で熱がある部分に施術して肩や肘の痛みや熱をとる。
③痛みや熱がなく逆に冷えている部分を施術して痛みや熱をとる。
④痛みや熱や冷えもない部分を施術して痛みや熱をとる。
⑤薬を用いる
細かく言えばきりがありませんが、大まかなところでこんな感じです。
①は、よくあるアイシングと同じ考え方ですね。
患部を冷水で冷やすというようなことです。
特に打撲や捻挫などの急性期はほとんど①のやり方です。
*この①の場合、アイシングやクーリングでなく、鍼を打って熱をとることもありますしお灸をすえて熱をとることもあります。
②③④は、東洋医学独特な部分かもしれませんね。
②は、肩や肘を直接施術せず、熱がある手や足を冷水浴したりプール浴をするなど方法です。
これにより、直接肩や肘を冷やさなくても肩や肘の熱感や痛みが改善することが多々あります。
慢性の野球肩や野球肘の方には是非試していただきたい方法です。
③④は、鍼灸、指圧、マッサージなどではよくやりますがアイシングやクーリングでは難しいかもしれません。
⑤は、西洋医学ならNSAIDsやステロイド、東洋医学ならその場に応じた各種漢方薬の組み合わせということになります。
このように、東洋医学では熱をとるために直接肩や肘を冷やすとは限りません。
まぁ、東洋医学では、、、と書きましたが、西洋医学ではそうじゃないということではありません。
東洋医学的な考えでいくと、、、
自然とそうなるということです。
一見すると、東西の医学で言われることが重なる部分もありますし、全く違う部分もあります。
でも、基本的に人をみて治療する以上、最終的には重なることが増えてくるはずなんですよね。
5年後、10年後、、、
医療者の立場は違っても同じことをやっているかもしれませんね。
逆子のお灸は足とは限りません
今日はバタバタしていて、お待たせしてしまいました。
お一人お一人しっかりご説明したいので、、、
まぁ、言い訳です笑
さて、当院では逆子の灸を積極的に行っています。
お灸と言うと、何だか古くさい感じがするかも。
それ、その通りです笑
お灸のはじまりが古いことに間違いありませんからね。
ただ、逆子に対してお灸を活用するようになったのはそれほど古い時代ではありません。
比較的近年です。
まだまだ余地がある分野ですね。
と言いますか、鍼灸って奥深くもあり、逆に浅くもあるもの。
新しく考えられたやり方が良いわけでもなく、古くからあるやり方がダメなわけでもない。
その辺が私としては面白いところでもあるのですが。
鍼灸による逆子施術には、鍼灸師なら誰でも知っている「至陰&三陰交」という定番中の定番の配穴(ツボの組み合わせ)があります。
でも、それが全てではありません。
ある配穴が有名になってしまうと、なかなか他の方法には意識が向かわなくなりがち。
ある程度効果が出るから有名になるのですから、あえてそこから外れるのは難しいのかもしれません。
また、逆子のケースだと「期間限定」ということもあります。
どんなに長くても28週頃から37週頃まで、約2ヶ月しか猶予がありませんからね。
結果も、逆子が頭位になるかならないか、それだけです。
自分がやっていることが本当に最高なのか。
鍼と艾を持つ身として、自問自答の日々です。
体感温度
寒くなってきましたね~
患者さんに寒くないか確認する頻度が増えてきました。
鍼灸院には温度計と湿度計がありますし、エアコンにも温度計がついてます。
でも、温度計や湿度計はあくまで目安。
当たり前ですが、私が感じる温度と他の方が感じる温度も違いますし。
今は天気アプリでかなりのところまで予報が当たります。(当日ならね)
でも、予報通りだったとしても、、、
生き物ですからね、私たちは。
機械のようにはいきません。
温度計や湿度計では計れない、知りえないものがあります。
その人その場その時でも変わります。
それがどう影響するかも違います。
毎日エアコン様の厄介になっていると、そんな変化に気づきにくくなっているかもしれません。
たまには暑い寒いをじっくり感じてみるのもアリです。